五虎大将軍の1人になった馬超。
だが、新入りの馬超を古参の将達が認めるわけもなく・・・。
認められるため、友達いなさそうと言われないため、今日も馬超は頑張る。
まず襄陽に赴き、五虎大将軍筆頭、関羽に認められよう。
「・・・貴公の力を見てもらいたいと?」
関羽はヒゲ袋が取ってあるヒゲをなでた。
キューティクルは美しく。
「はい。拙者はまだ新参者。一刻も早く認められたい」
「・・・よかろう。来るがいい」
関羽に連れて来られたのは、兵士の訓練場だった。
「ここでなら遠慮なくできる。では、やろうではないか」
関羽は訓練用の槍を構えた。
馬超も槍を構える。
関羽は槍を突き出した。
馬超は避けたが、関羽の次の攻撃を考えていなかった。
あっと言う間に馬超の槍は地面に叩き付けられた。
「この程度か?もっと力を付けるのだな」
関羽は馬超を見下ろしていた。
「ぐ・・・次だ。次こそは・・・」
馬超は槍を取った。
「今度はもう少し長く続くようにな」
関羽は槍を持ち直した。
馬超の槍が関羽の槍に当たる。
関羽はそれを弾こうとしたが、その頃にはもう馬超の槍がふところを叩いていた。
「拙者の勝ちです。これで認めてくれますか?」
馬超は笑みを浮かべていた。
「む・・・さすがだ。だがこれでは終わらん。武術だけではならぬ」
「では、他に何を?」
関羽はニヤリと笑った。
「算術だ。貴公は算術は得意かな?」
「いや・・・苦手だ」
心の中で、嫌いだ、と言った。
そう、心の中で。
「では拙者が自ら教えよう。これから、暇があれば襄陽に来るといい」
関羽は笑っていた。
馬超が算術が嫌いなのは承知の上だ。
軽い嫌がらせのようなものである。
これに耐えないと五虎大将軍は名乗れない。
それから馬超は襄陽に通うようになった。
算術は嫌いだが、認められるためなら仕方ない。
関羽もこれには感服したようで、少しずつだが、馬超を認めるようになった。
さすがに絹のヒゲ袋は触れないが、着実に認められている。
それは馬超自身もわかっていた。
「・・・さて、そろそろ貴公もなかなか算術が得意になったようだ」
「そうでしょうか?まだまだだと思います」
「もう算術を教えることはないな。もう襄陽まで来ることもない」
「・・・認めてくれたということですか?」
「そうなるかもな。まだ完全ではないが」
「ありがとうございます」
馬超は一礼した。
筆頭には認められたが、まだ他に五虎大将軍がいる。
それにも認められる必要があるのだ。
「俺はまだやるぞ!」
帰り道、馬上で叫んだ。
近くにいた平民が驚いてせかせかと馬超から逃げていった・・・。