濃霧城の戦い(城外戦)

濃霧城激戦

「ダッダッダッ・・・」
もう既に、濃霧半島をほとんど制圧した。後は濃霧城のみだ。
だが、敵は兵力を濃霧城に集中させているから、かなりの兵数だろう。
それに比べて、セイド軍は援軍もあわせて五万程度。敵兵力は予想するに、十万はいるだろう。
「戦略が大事だな。兵力差を縮めるためにも。」
セイドが独り言を言った。
濃霧城が見えてきた。余り立派ではないが、どことなく威厳を感じる。
「恐らく激戦になる。皆、心せよ。」
エドワードが兵士達に向かって言っている。そんなことを言って、励ましになるのだろうか?大軍と戦うというのに。
濃霧城の目の前まで来てしまった。敵は籠城するつもりか?
「こもる気か・・・。チェリーがいればな。」
セイドがチェリーに傭兵砦の守備をさせたのだろうが。
「しっかし、こんな城とれるのか?中には大軍がいるんだろ?」
「まずは待つ。待って敵が動いたところを叩く。」
セイドが命令すると、軍はあわただしく動き始めた。
何日待ったろうか?濃霧城に動く気配はない。
「やれやれ、こんなところで足止めを食らっている場合ではないのだが。」
セイドは濃霧半島と引き換えに、アーマメントと休戦したかったのだが、濃霧城が籠城を続けるのでは、濃霧半島が逆にとられる。そうなることだけは避けたかった。
セイドの思いが届いたのか(?)、濃霧城が開門した。
「今だ!城内になだれ込め!」
セイドが命令する前に軍は動いていた。待っていたぞと言わんばかりに。いや、実際に待っていたのだが。
城内になだれ込むようなスペースがない。城門は敵兵で埋まっているからだ。たちまちに激戦となった。
「押せ!押して城内に進入しろ!」
敵も押されてくれない。むしろ、反撃されて、けっこう痛い。もう、数千の兵を失ってしまった。

霧雨

「たったったっ・・・」
何とか城門を突破し、軍は濃霧城内になだれ込んだ。
「このまま敵の主将を討つぞ。行け!」
セイドは敵兵を斬って、言った。
濃霧城内でも各地で激戦のようだ。力押しでここまでこれたが、そろそろ戦略というものを学ばなければ。
その戦略を学ぶときが来た。その身で学ぶときが。
城門は閉じられ、城下町の民家などから伏兵が出て来た。
内外から攻められ、セイド軍は混乱。右往左往とする。
「一旦退け!こんなんところで朽ちるわけにはいかん!」
セイドの命令で軍は名残り惜しくも濃霧城から出ていった。敵も追撃してこない。まるで、もう来るな。来たら今日と同じ目にあうぞ、と言っているよう。
「ふう、どうしたものか。」
セイドはため息をついた。いろんな意味の。
「クルーセイド殿、失礼。」
エドワードが天幕に入ってきた。
「将軍、何の用ですか?」
「濃霧城攻略について、話したいと思ってな。」

得意げに言う。
で、どうやって攻略するんですか?余り時間のかからないものでお願いしたい。」
「ああ、時間はそうかからない。濃霧城には裏口がある。まずは正面を攻めて、敵が正面へ集まっているところを、もう一つの軍が裏口から攻める。裏口からの進入が成功すれば、正面門も、開けるのは簡単だ。どうだ?」
「なかなかいいな。よし、すぐに作戦を決行しよう。作戦決行は明日だ。そう伝えておけ。」
「わかった。」
エドワードは天幕から出て行った。
翌日、濃霧のたちこめる濃霧半島の激戦区は、濃霧城に決定。作戦決行だ。
正面を攻撃すると、敵が集まってくるよう。裏口からはいとも簡単に進入できた。これで、また伏兵に会わなきゃいいが。
どうやら、作戦成功のようだ。正面門が開いた。
さて、ここからどう攻めるか。セイドは悩みながら走っていた。