傭兵砦防衛戦

占領

「トットット・・・」
濃霧街道も抜け、とある傭兵団の砦にやって来た。
「砦か。誰もいないようだが、用心して入ろう。」
砦の門を開けて、慎重に入っていく。
それから、砦内をくまなく探してみるが
「駄目だ。誰もいない。」
セイドは首をかしげる。
「その方がいいじゃねえか。戦わなくてよ。」
「だが・・・こんな拠点となる場所を空けるなんて、とても策としか考えられん。」
「そんなに疑わなくてもいいだろ。」
「・・・」
この砦で休むこと二日・・・。
「おいコラ!俺達の砦を返せ!」
砦の外で、なにやらわめいている。
仕方なく、見張りはセイドを呼んだ。
「砦を返せと言っているのか・・・。」
「はい。もう既に三時間も叫んでいます。」
見張りは言った。
「よし、話をしてみるか。」
セイドは見張り櫓を登り
「何のようだ?」
と聞いた。
「何のようだ?じゃねえ!この砦は俺達のものなんだよ!返せ!」
砦の外でわめいているのは、少々老けている男。
「はい、そうですかって誰が返す?」
「黙れ!くっそー・・・・・・」
わめいている男の傍の男が耳打ちすると
「・・・・・・仕方ねぇ。その砦はくれてやる。ただし、条件がある。」
「条件?」
「ああ、俺達を雇ってくれ。」
「・・・どれくらい必要だ?」
「二千金だ。」
「安いな。本当にそれだけでいいのか?」
「ああ、二千金でいい!それだけあれば、俺は命をかけるぜ!」
「わかった。よし、入れ。」
門が開く。
大勢の人間が入る。
「二千金だ。これでいいな?」
セイドが金の入った袋を持っている。
「ああ。」
と、袋をもらう。
「もう、充分休んだ。行くか。」
「おい、待て。」
「何だ?」
「もう、すぐ近くにアーマメント軍がいるぜ。いいのか?」
「そうか、間者が来るまで待つか。お前達は適当なところで休んでおけ。」
「ああ。」
濃霧に包まれた半島。全く、戦いにくい場所だ。

籠城

「ザッザッザ・・・」
敵軍が来た。
「作戦準備に取り掛かる。エドワード将軍、砦を頼みます。」
セイドが言った。
「ああ、任せておけ。」
作戦・・・簡単なものだ。エドワードが砦にこもり、セイドの率いる別働隊が敵に奇襲をかける。成功すれば、エドワードが砦から出て、敵軍を正面より潰す。失敗すれば、籠城を続ける。

門が開く。別働隊が動きだしたのだ。
エドワードは、それを期待の目で見ていた。
「我らは砦にこもるだけだ。簡単なこと。」
とは言ってみたものの、やはり不安だ。
別働隊がどれだけ早く動けるかが、勝敗を決める。
「早く動いてくれればいいのだが。」
エドワードは残りの兵糧を確認しに行った。
アウトローはどうした?・・・別働隊に入っているのだ。
「この辺りがいいな。この辺りの草に隠れろ。」
別働隊、セイドが言った。
・・・・・・しばらくして、敵軍が来た模様。
「もう少し待て。」
そして、敵軍の後ろが見えると
「今だ、行け。」
セイドは静かに言った。
そろりそろりと敵軍に近づく。
「かかれ!」
敵軍は奇襲をされて、右往左往としていた。
「奇襲は成功したか。全軍突撃!」
エドワードは間者の報告を受けて、そう命令した。
敵軍は壊滅状態。この勢いに乗って、セイド軍は進軍を開始した。