濃霧盆地の戦い
盆地包囲
「たったった・・・」
セイド軍は、現在、濃霧盆地に向けて進軍中。
セイド軍はセイド軍と、量、質のともに優れたエドワードのセイクレッド騎士団に分けられた。セイド軍は濃霧盆地、騎士団は濃霧海峡へ向けて進軍。
アウトローは騎士団の方に入っている。
濃霧盆地は濃霧半島の中心部で、攻撃側、防御側のどちらも欲しがるような拠点だというのに、守備兵が少ないそうだ。
なら、少ない内に奪っておこうと、進軍している。
濃霧盆地が違うなら、濃霧海峡が敵の拠点のはず。騎士団に敵拠点を押さえてもらい、その間に濃霧盆地をとるのだ。
「騎士団を心配しなくてもいいか。・・・しかし、濃霧盆地の守備兵が少ないなんて、罠かもしれないな。だが、罠でも取るべき価値はある。」
セイドは歩きながら、呟いた。
チェリーにはあの傭兵砦の守備を任せた。もう、人がいないのだ。とはいえ、セイドはそのことに後悔していた。私が守ると言ったのに、と。
さっさと濃霧盆地をとって、騎士団の援護に行きたいので、進軍速度を速めた。
盆地が見えてきた。もう既に山を登り、これから降りるところだ。
「確かに、兵は少ないな。」
上からだとよく見える。濃霧のはずだが、少し晴れて来たし、濃霧に目が慣れたようだ(?)。
山も降り、早く守備兵を倒すかと思っていたら、守備兵から来てくれた。
「援軍が来る前に、急いで倒せ!」
そう言って、ワーッと進んでみると、敵は逃げ出した。
「逃がすな、待て!」
守備兵は全力で逃げている。
盆地の中央あたりに来ると、守備兵は反転、攻撃してきた。
「この程度なら勝てる!」
(続けて)わけがない。なんせ、包囲されたのだから。
「敵!?・・・包囲されたか・・・。戻れ!戻れ!」
セイド軍は来た道に引き返そうとする。が、前方で戦いが起こっているようだ。
「味方か敵か・・・とにかく、突破しよう。」
よく見てみると、戦っているのは、アーマメント兵と、ソロー。
「!?何故、母が?」
「セイドか!心配なんで尾けてきたんだが、セイドは気づかなかったようだな。」
ソローはフィリップ殺しのためにイモータルの都付近まで一人で行ったのだから、隠れることは容易だった。
ソローという大きな戦力の追加によって、セイド軍は押し返した。
ソローが尾けてきたこと、ソルジャーは知っているのだろうか?
果物焼失
「ゴオオオォォォォ・・・」
炎が濃霧に変わって盆地を包む。形勢不利と見たアーマメント軍は、仕方なく火をつけたのだ。
濃霧盆地は果物栽培が盛んなのだが、その果物も焼けてしまった・・・。
「・・・しかし、火のおかげで被害は出たが、敵の足止めにもなっているな。放っておこう。」
セイドがそう言っている間にも、兵士は火に包まれて、焼死している。
「おい、セイド。こっちの被害も大きいぞ。さっさと逃げないのか?」
アウトローが言った。セイドは目前の炎を見ながら
「わかっている。まだ、逃げ切れていない兵がいるのだ。見捨てられない。」
「セイドは優しいねえ。でも、お前はこの軍の指揮官だ。お前に死んでもらっちゃ困るのはこっちだぞ。」
「わかった。では、逃げるとするか。」
セイドとアウトローは後ろを振り向き、走っていった。その後ろには、勇ましい憤りが音を立てて天へ昇っている。
しばらく、盆地が焼けるのを見物していたが、立ち上がり
「盆地に兵の姿は見えない。いくらか兵を置き、守備させよう。」
セイドは兵数の書いてある紙を見ながら、何やら計算をしていた。
計算が終わると、軍は二つに分れ、少数の方は濃霧盆地、多数の方は西へ向かって行った。