交渉

突破

「タカッタカッタカッ・・・」
エドワードは使者として、アーマメントの都、牙城都へ向けて馬を走らせているが、途中、フュリアス軍に出くわした。
「何で、こんなところに敵兵がいるんだ?」
と疑問に思ったが、斬り捨てた。
言っておくが、ここは傭兵砦である。
「砦が攻められているのかもしれん。砦に入るか。」
傭兵砦はチェリーが守備している。
「おい、門を開けてくれ。私はセイクレッド騎士団の副団長代理のエドワードだ。」
と言うと、門はあっさりと開いてしまう。
「チェリーはどこかな?」
と、一般兵士に聞いた。
「そこにいますけど。」
「ありがとう。」
チェリーは在庫チェックをしているようだ。いつも在庫チェックをしていると思うが。
「チェリー、どうしたのだ?敵兵がいたぞ。」
「エドワードさん、ですか。はい、この砦がフュリアス軍に攻められているんです。」
「攻められている?そうか・・・。フュリアスが邪魔になるな。使者を出してみよう。休戦するようにな。」
エドワードはさっそく使者の手配をし、使者を出した。
その反応は
「・・・首をはねられたのか。敵意しかないようだな。」
とのこと。フュリアスは憤然としていたそうだ。
「やれやれ、仕方がない。チェリー、私に兵をくれ。私が別働隊を率いて敵の側面を攻撃する。少数だから大丈夫だ。」
「はい。わかりました。じゃあ、別働隊は五百くらいでいいですか?」
「ああ、それくらいで充分だ。」
間者があわただしく走ってきて
「申し上げます!フュリアス軍のかなり後方ですが、敵本隊らしい、大軍がいます!」
と、報告した。
「なら、奇襲は急いだ方がいいな。すぐに兵を手配しよう。」
エドワードは走っていった。
物静かな夜、風でゆれる草の音だけが静かに響いている。
「では、奇襲と行くか。」
エドワードの奇襲部隊は砦から、そろりそろりと出て、それから静かに歩いて行った。
「敵の側面に来たな。いくぞ!」
合図でチェリーが配置した伏兵も出てきて、敵陣は完全に混乱中。
奇襲も成功。気分も上々(?)。
「さて、フュリアスも逃げたようだな。グローリーのところへ行くか。」

休戦成立

「タカッタカッタカッ・・・」
エドワードは逃げるフュリアスも追い抜き、グローリーのもとへ辿りついた。
「・・・ということで、王に会いたいのだが。」
「少々お待ちください。」
一般兵士が応対した。
「敵だというのに礼儀がいいな。セイクレッドも見習わねば。」
感心している場合ではない。
先程とは違う兵が来て
「お待たせいたしました。王がお待ちです。」
と案内された。
「やはり礼儀がいい。」
天幕の中へ入ると
「お前が使者か。で、何ようだ?」
王、グローリーが奥の椅子に座っていた。
「余り礼儀正しくないな。」
と、エドワードはぼそっと呟いた。
「何か言ったか?」
「いや、何も。」
「早く用を言え。」
「用というのは他でもない。セイクレッドがとった濃霧半島と、ドリズルの命を引き換えに、休戦して欲しい。」
「ドリズルが捕まったのか!?・・・なら、例の物を見せろ。」
「これのことか?」
と家宝の剣を鞘から抜いて見せる。
「おお、まさしく。・・・・・・・・・わかった。休戦しよう。ドリズルを返してくれるんだな?」
「もちろん。」
「なら、休戦だ。」
「それを聞けば、軍もさぞ喜ぶことでしょう。」
と、何故か最後だけ敬語で言った。