セパレイト国境
旅の者?
「タッタッタ・・・」
現在、セイド軍は休戦したアーマメントを通過し、大陸南西の国、ブライトと何とか同盟し、共にイモータルを討つことを目的に、共に戦うことになった。
「しかし、国王自ら出てくれるとはな。」
セイドは感想を述べた。ここはイモータル・ブライトの国境付近である。
「まあ、よかったじゃねえか。国の精鋭と一緒に戦えるんだからよ。」
隣を歩いているアウトローが言った。
「これで勝てないわけがないか。」
「もちろん。勝てなかったら恥じだぜ。まあ、セイドもいることだしな。セイクレッドの王の軍もホーリーにいるんだろ?なら、勝てるさ。」
そこへ、エドワードがやって来た。
「おい、アウトロ−。国境を越えることがこの戦の目的だ。余計な雑念は捨てろ。」
「わかってるって。」
アウトロ−だって、盗みで生計を立てていた頃、盗みにだけ集中していたが、戦も似ているのかもしれない。でも、今は集中していなかった。
「お〜い。前方に、敵か味方かよく分らない奴がいるぞ〜!」
伝令が大声で知らせてくれた。
「何だろうな?行ってみようぜ。」
「行かない方がいい。軍の規律を破ることになるぞ。」
「そんな固いこと言うなよ。な?行こうぜ?」
エドワードがいなくてよかったのか・・・?
「・・・仕方ない。早く帰ってくるからな。」
「おう。」
セイドとアウトローは、軍内を駆け巡った。
やがて、軍の最前線へ着く。
「お、あれだな?問題の奴は。」
「問題児ならここにいるがな。」
と、セイドは小声で言った。
「何か言ったか?」
「いや。」
「まあいい。行ってみようぜ。」
「わかったわかった。」
ため息を吐いた。
走って、軍内の暑苦しさから解放されて、気持ちが良かった。
「おい、お前。」
「ん?何だ?」
問題の男は振り向いた。
「お前のせいで、軍が進めないんだ。そこをどけ。」
「わしは方向音痴なもんでな。わしをアネクメーネ砂漠まで連れて行くのなら、軍の兵として働いてやってもいいぞ。何にせよ、わしはアネクメーネへ行く。そうしないのならどかん。」
かなり勇気がある奴だ。
「わかった。兵は多い方がいいからな。俺に連いて来い。俺はアウトロー。こいつはセイド。お前は?」
「わしか?わしはウラヌスだ。アーマメントの精鋭、騎城壁の軍曹を一時勤めていた。よろしくな。」
アーマメントの騎城壁!大陸でも軍隊としては一位、二位を争う屈強な軍。それの軍曹だと?しかも、それを平然と言っているなんて、何者だ、こいつ?
「ああ・・・よろしく。」
アウトローは圧倒されていた。セイドも聞いていたが、もう、驚くことに慣れてしまったようだ。
二人は持ち場に戻り、ウラヌスはセイドに連いていった。
「で、お前は何で騎城壁から抜け出したんだ?」
ウラヌスはアウトローの横にいる。
「抜け出す?そんな馬鹿な!わしは追い出されたんだ。とある戦で兵糧庫を焼いてしまってな。」
そりゃ追い出されるわ。
「そりゃな・・・。」
アウトローはあきれた顔になった。
セパレイト国境戦
「たったったっ・・・」
ウラヌスを無許可で味方につけ、セパレイト国境を越えられそうになっている。
「おい、そろそろ逃げた方がいいんじゃねえか?」
一般兵士が、国境の砦の中へ向けて、言った。
「黙れ!お前らごときに、この砦を越えさせるものか!」
中から声がした。
「やれやれ、挑発も駄目か。」
セイドが言った。
敵は砦に篭り、出てくる気配が全くない。挑発しても駄目ということは、長期戦しかない。砦を焼くことは可能だが、この辺りは豊かな土地なので、無闇に火計や水計はできない。
セイドが陣へ戻るとき、ブライトの精鋭、ブライト聖騎士団の中将、スプレンダーが話しかけてきた。
「セイド殿、敵は砦に篭っています。敵は少数、士気も低いのなら、無視して進めば、敵は出てくるはずです。その時に攻撃すれば、殲滅も可能でしょう。」
「ああ・・・そうだな。このまま長期戦に持ち込んでも、敵の援軍が来るだけだからな。ブライトネス殿に言ってくれ。砦の敵を無視して進むと。」
「はい、わかりました。」
スプレンダーは馬に乗っているので、セイドは少し、憧れた。・・・まだ乗れないのか。
「よし、ブライトネス殿の軍は、そのまま進軍してくれるだろう。私の軍は砦を無視して先に行こう。」
「おい、セイド。このまま行くのか?」
「ああ。エドワード殿、こっちに。」
エドワードが来る。相変わらず、馬に乗っている。
「どうした、クルーセイド殿?」
「エドワード殿の騎士団は砦の東側から進軍してください。アウトローも騎士団と同じだ。私の軍とチェリーは、砦の西側から進軍する。」
全員了解し、軍は二手に分かれた。
「おい、見ろよ。敵が二つに分かれているぞ。」
砦の見張りの兵士が言った。
「何?本当か?」
「おい、待て。そんなに来るなよ。落ちるって。」
小さい櫓なので、人一人ならきつくは無いが、二人となると、落っこちそうになる。
「平気平気、落ちやしねえって。」
まあ、こんなお間抜けはどうでもいい。本題に入らせよう。
「お、本当だ。何で分れてんだ?」
「そんなこと、俺は知るわけないだろ。」
「ま、いいだろ。砦から出て、奴らを叩き潰してやろうぜ。」
「そうだな。敵兵も少ないし。」
「決まりだな。おーし、お前ら、砦から出るぞ!敵の馬鹿共を叩き潰せ!」
そう命令されて、砦の門を開くなどしたが、敵が近くにいるのかも、見張りとさっきの兵以外には分らない。
「お、門が開いたな。エドワード・・・将軍、行こうぜ。」
「ああ。セイクレッドの精鋭、セイクレッド騎士団、行くぞ!」
オーッと砦になだれ込む。砦に兵など、瞬殺だった。さっきの兵二人もだ。
「砦内が騒がしくなったな。騎士団が攻めたか。門も開くだろうな。よし、門を開けろ!」
金具の部分が錆びているのか、ギギギギと音を立てながら、門が開いた。門を開けた兵士は戦の前に、既に、疲れている。
砦はセイクレッド軍だけで簡単に制圧した。スプレンダーの助言のおかげである。