皇帝様ご出陣(追撃編)
合流激戦
「タタタタタ・・・」
セイクレッド軍、ブライト軍は合流のため、このイモータル平原に来る予定なのだ。
それを知ったイモータル軍は、北のセイクレッド軍迎撃にゼロス、南のブライト軍迎撃にフレイムを出した。
イモータル軍には、イモータル皇帝、グロウがいる。選りすぐりの精鋭達もいるのだ。
「ふう、やっとここまで来たか。」
アーミィが言った。
セイクレッド軍は森に入っていった。もちろん、ここにゼロス部隊が潜んでいるのである。
「伝令!この先に伏兵がいる模様!」
伝令が走ってきて、言った。
「伏兵か・・・。わざわざ避けることもないか・・・。」
とそこへ、ギフトとソルジャー、アイリーンが来て
「任せろ!」
と言ったのだった。アイリーンの声は、ソルジャーとギフトの声にかきけされた。
「お前達がか・・・。よし、敵を撹乱させてくれ。先に行って、伏兵を出せば、被害を最小限に防げる。」
三人は承諾し、そのまま行ってしまった。たったの三人だ。
「三人だが・・・まあいいだろう。」
止めることもあきらめている。もっとも、許したのは自分自身だ。
三人は森の奥深くへ進んで行った。伏兵の姿など、全く見えない。
「何だ。誰もいねえじゃねえか。伏兵ってのはガセか?」
ソルジャーが周りをキョロキョロと見渡しながら言った。
ギフトは何か人影を見つけたようで
「あっ、あそこに人影が!」
と言った。
「やべえ。見付かっちまった!全く、何見付かってんだ。バカ!」
敵将が言っているのか、怒られている方はシュンとしている。
「は、はい!すみません!」
ソルジャーがやって来た。
「おい、取り込み中、悪いが、死んでもらうぞ。覚悟!」
薙刀を振りかざす。
「ひいっ!お助けをー!」
先程、怒っていた敵は既に逃げている。
「降伏するか?」
「はい!します、します!ですから助けてください!」
「よしわかった。じゃあ、ゼロスの居場所を教えろ。」
敵兵は困惑した様子。
「そ、それは・・・。こんな一兵卒じゃ、知りませんよ。」
「そうか。仕方ない。だったら探って来い!」
「はいっ!」
敵兵は小走りで奥へ行った。
「さて、ギフト、アイリーン、俺達は突っ込んでくぞ。国王が来る前に全滅させてやろう。」
「はい!」
三人は走っていき、敵兵を見つけるやいなや、斬りまくった。
後ろからセイクレッド軍が来ている。それでも、まだまだ遠い。
「さあて、兄貴!どこだ!」
ソルジャーは叫んだが、返事が来ない。聞かれたら答えるのがマナーだろうに(謎)。
「兄貴!おいコラ!返事しやがれ!」
後ろから槍が衝いてきた。
「兄に対しての態度もちゃんとしろ。」
ゼロスである。
「な、なんだ・・・。兄貴、居るんじゃねえか・・・。」
「そうだな。居ては困るか?」
「まあな・・・。敵だしよ。」
「それはさておき、私の任務はセイクレッド軍を退かせることだ。それが無理でも、被害くらいは与えろ、とのことだ。」
「へえ。荷が重いじゃねえか。俺が少し持ってやりたいけど、無理だな。」
「お前の協力は望んでいない。私はお前の首も望んでいない。」
「なら、その槍、どけてくれよ。首がかゆくて仕方ねぇ。」
「脅しぐらいやらねば、お前は逆らうだろう?」
「そうだな・・・。で、何すんだ?」
「そこまで考えていなかったな。・・・そうだな・・・。セイクレッド軍内について、色々聞かしてもらおうか。」
「今は行軍中だぞ。俺はあんまり知らねえしな。」
「そうか。・・・。」
ゼロスが槍を下ろす。
「いいのか?下ろしちゃって。」
「弟、よく聞け。私はお前と闘いたいのだ。一対一でな。その時まで、死は許さん。」
「へえ。俺に気を遣ってくれるのか。ありがとうございます、兄貴様。」
「そんなかしこまった喋り方、お前には似合わん。」
「そりゃそうだ。ふざけてやったんだから。」
「では、勝手に暴れていろ。」
と言い残し、ゼロスは去っていった。
「ふう、やれやれ。兄貴を相手にするのは疲れる。」
戦うよりも疲れるらしい。
アーミィ軍も到着し、ゼロス軍は退いた。
セイクレッド軍は、中央に布陣しているグロウ軍のところまで来れたのである。
合流成功
「ザッザッザッ・・・」
ブライト軍は、フレイム軍の挑発を受けた。その内容はこうである。
「やーい。臆病者のブライト共!てめえらなんざ、このフレイム様がひとひねりで潰せるんだよ!悔しかったらかかってこい!」
敵兵が手をフレイムの方へパタパタさせてみせる。
「おい・・・なんか、恥ずかしいぞ。」
フレイムが手をパタパタさせている兵に向かって言った。
「ですが、これくらいやらないと。」
この挑発にブライト軍は、怒るよりも、敵の哀れに思ったのだった。
とまあ、こんな感じの挑発である。
アウトロ−がセイドを方を向いて
「おい。なんだよ、あれ?」
と指差した。
「なんだと聞かれても・・・本当にあれはなんなのか、私にも分からない。」
セイドは混乱するばかりである。混乱しているのはブライト軍全員もだ。
「なんだかわからないが・・・怒りがこみ上げてきたな。よし、アウトロー、エドワード将軍、奴らを叩き潰しに行きましょう。」
呆然としていたエドワードは我に帰り
「ああ、そうだな。行くぞ!」
と言ったのだった。
ヴィクトリィはセイド軍が攻め、敵が退いているのを見て
「国王、我らも追撃しましょう。」
「うむ。全軍追撃せよ!」
スプレンダーが二人のところへやって来て
「団長、多分、あれは挑発・・・なんだと思います。挑発でしたら、必ず罠がありますから、無闇に進軍しない方が・・・」
「駄目だ。あんなのが挑発などと呼べるものか。」
論点がずれているのだが。
「どうしても、進軍するのですか・・・。」
「ああ、そうしないと遅れをとることになる。」
そう言い合っている間にも、軍は進んでいる。
フレイム軍はセイド軍を誘い出すことに成功し、更に、セイド軍の包囲も成功した。
「包囲か・・・。ブライト軍がいるから、たいしたことはない。うろたえるな!この程度の敵、お前達が手こずるわけがない!」
セイドが奨励する。けっこう効いたのか、包囲しているフレイム軍がやられている。兵数でフレイム軍は負けているし、士気の高くなった敵との戦いでは、包囲していても勝てないのだろうか。
ブライト軍が来た。これでもう、フレイム軍の負けだ。
「まずいな。撤退だ!皇帝のところまで退け!」
フレイム軍は撤退したが、多くの被害を受けてしまった。
「さ、追撃しましょう。」
ヴィクトリィが言った。
「よし、追撃する。イモータルを根絶やしにするのだ!」
セイド軍は追撃を開始した。続いて、ブライト軍も。
グロウ軍としては、いくら精鋭でも、セイクレッド軍、ブライト軍に挟撃されたのでは勝つのは難しいだろう。イモータル軍の方が、兵力が低いのだから。
グロウは一旦撤退しなければならない、と思った。
グロウ軍は撤退し、セイクレッド、ブライト軍は見事合流できたのだった。