フィアレス川の戦い
ジミー挟撃
「ザー・・・」
今日もフィアレス川は流れが速い。
フィアレス川と名付けられたのは、この川の途中にあるかなり落差のある滝にも勇敢に進んでいるからだ。
フィアレス川から、この山もその滝の名もフィアレスとなっている。
フィアレス川はブライト南部に位置し、今そこはイモータルのジョゼフ軍によって攻撃されていた。
スプレンダーが守備にまわっている。
他の三箇所にも、イモータル軍とブライト軍が戦っていたりする。
ジョゼフ軍本陣では、ジョゼフが弟ジミーに作戦を教えていた。
「ジミー、敵陣に突撃しろ。」
「兄上は?」
「俺は・・・本陣を守る。だから、心置きなく突撃しろ。」
「はい。」
ジョゼフには策があった。だが、味方にはあまり知られたくはない。
ジミーの突撃が始まると、ジョゼフはフィアレス山の背後へ向かった。
「行け!本陣を叩き潰せ!」
ジミーがそう言うが、地味将軍に言われてもなあ。
スプレンダーは迎撃にも向かわず、のろしを上げた。
フィアレス川の水計である。
水計により、ジミー部隊はかなりの打撃を受けた。
「今だ!伏兵部隊かかれ!本隊も進め!」
伏兵と本隊による挟撃で、ジミー部隊は奮戦した。
「ワイルド山のときとは立場が逆転したようでなかなかいい。」
スプレンダーは優越感を味わった。
「頑張れ!もうすぐ兄上が援軍に来る!」
ワイルド山のヴィクトリィらのように全くの期待ができないわけではなかった。
ジョゼフが本陣にいる。それが援軍に来てくれれば・・・。
スプレンダーは将らしい人(ジミー)を見付け、一騎討ちを願い出た。
「そこの将らしい人、勝負願いたい。」
「俺か?」
ジミーが振り向く。
「お前の名は?」
「ジミー。」
「ジミー?・・・そうか、あのジョゼフの弟か。」
スプレンダーは過去にジョゼフの非武士道精神に腹を立てていたので、その弟までも憎くなっていた。
「ジョゼフの弟、覚悟!」
「・・・やってやるぞ!」
スプレンダーとジミーは何合か打ち合った後、スプレンダーがジミーの槍をはじき飛ばした。
「まだ刀がある。」
と言って、ジミーは腰に差していたサーベルを抜いた。
切れ味をよくするため、軽く反っている。
槍と刀。刀はかなり不利だろう。
「いくぞ!」
ジミーの剣術は巧みなもので、スプレンダーは押さえるだけで精一杯だった。
「くっ・・・。」
槍が切れた。スプレンダーも帯剣はしているが、あまり剣術は得意でない。
とそこへ、ジョゼフ部隊が援軍にやって来た。
はてさて、スプレンダーはまたしても窮地に立たされた。
「ぐ・・・いくぞ、ジミー!」
スプレンダーは瞬時に剣を抜き、力押しでジミーのサーベルを奪い、捨てた。
「くそ・・・。」
「終わりだな、ジョゼフの弟。」
地味将軍の運命やいかに!?
一騎討ち
「ドドドドドドド」
ジョゼフ部隊がフィアレス山山頂から、スプレンダー部隊目掛けて突撃してくる。
「く・・・ジミー、この勝負預けた。退け!死ぬ前に退け!」
「待て!逃げるな!」
「またいつか、勝負しよう。」
スプレンダー軍はフィアレス山をあとにした。
・・・が、ジョゼフが追撃している。
「お前達はそのまま行け。私はジョゼフを追い返す。」
スプレンダーは部隊から離れた。
ジョゼフは部隊を連れてきているが、スプレンダーは一人だ。
「ジョゼフ、私と一騎討ちしろ!」
「・・・確か・・・スプレンダーだったか?」
「武士道の欠片もない武士め。私が成敗してくれる!」
「お前ら、ジミーのところに行け。さあ、来い!」
馬上での一騎討ちなので、勢いをつけて何度も打ち合えば、武器が折れてしまうだろう。
さきほど、退く際に拾った槍を使っているスプレンダーには少し厳しいか。
「覚悟!」
スプレンダーは拾った槍でジョゼフを衝こうとする。
しかし、ジョゼフの槍がそれを叩き、拾った槍は落ちてしまった。
「く・・・だが・・・。」
スプレンダーは剣を抜いた。
「そんな剣で勝てるのか?」
ジョゼフがバカにしたように言った。
「勝ってみせる!」
スプレンダーは挑発に乗った。
挑発かどうかもわからなかったのかもしれない。。
今度は勢いをつけず、歩いて近づき、何十合も打ち合った。
「へえ、剣でもここまでやれんだな。」
再び挑発する。
だが、スプレンダーには聞こえていないようだ。無視しているのか?
何合も打ち合った末、遂にジョゼフの槍を落とすことに成功したスプレンダーは、剣を首へ向けた。
「それで勝ったつもりか?」
「・・・ここで死んでもらおう!」
首を刺すため、剣を突き出そうとするが、ジョゼフの手が瞬時にスプレンダーの剣を掴んだ。
手から血が流れる。
「・・・ジョゼフ、これでは勝負がつかない。」
「そうだな。じゃ、俺は一旦戻る。
ジョゼフは軍に戻っていった。
スプレンダーも軍に戻っていった。
スプレンダー軍はブライトの首都、魔学都を含む大平原、アバンダンス平原に陣を張るブライト軍と合流するため、そこに向かった。