レイニー平野の戦い(後編・南部)

燃えよ兵糧

「ザー・・・」
レイニー平野には相変わらず雨が降っている。
マッチは本陣の前方を守る形で陣を敷いている。
ヴィクトリィとジョーンズは途中までは同じルートを通っていた。
「うまくやれよ。」
「はい。兵糧さえ焼けば、敵はこれ以上ここにはいられないはず。なんとしても成功します。」
「もう分かれろ。奇襲を気取られたら終わりだ。」
「はい。」
ジョーンズ部隊はヴィクトリィから離れていった。
ヴィクトリィ部隊は雨に隠れて、マッチ陣を奇襲するのだ。
「よし・・・いくぞ。」
少しずつ、少しずつ敵陣に近づいていく・・・。
「今だ!かかれ!」
ヴィクトリィを先頭にして、奇襲部隊はマッチ陣に突っ込んでいく。
「敵だ!応戦しろ!」
マッチは剣を振り回した。
その頃、ジョーンズ部隊はマッチ陣を迂回し、本陣に着いていた。
「さあ、本陣を焼け!」
火計工作の邪魔をする本陣の守備部隊を難なく倒し、本陣は巨大な炎に包まれた。
だが、雨が強くて炎が弱まってきている。
「もっと枯れ柴を入れろ!火を消すな!」
枯れ柴が投げ込まれ、炎は再び大きくなった。
こんなことを何度も繰り返し、やっと本陣を灰と化すことができた。
「ヴィクトリィ将軍の援護に行くぞ!」
ジョーンズ部隊がマッチ陣へ行くと、マッチ部隊は退き始めた。
「逃がすか!追え!」
ヴィクトリィは命令した。
マッチ部隊もロンリー高野を目指して退いているが、その先に伏兵がいることなど予想もしていないだろう。

レイニー平野戦地調査

「タッタッタッ・・・」
伝令が走っている。
ここはアバンダンス平原のイモータル陣である。
アバンダンス平原ではこれといって戦いはなく、冷戦状態である。
ここにいるイモータル軍の主要な将は総大将のグロウ、ゼロス、ワイルド山から逃げて配下になったドリズルとフュリアス、フィアレス山から来たジョゼフとジミーである。
伝令はその内のドリズルの元へ向かっていた。
「ドリズル将軍、グロウ皇帝が呼んでおります。」
「そうか。では行くとするか・・・。」
ドリズルは作戦を考えていてイラ立っていて、疲れている。
「皇帝、お呼びですか?」
「ん?ああ。ドリズルはレイニー平野に行ってくれ。フレイムの援軍にな。」
「フレイム将軍がブライトごときに敗れるとは思いませんが。」
「それが苦戦中なんだ。援軍が到着するまで戦っていられるかも心配なくらいだからな。」
「わかりました。フュリアスを連れて行きますが、いいですか?」
「ああ、構わない。兵も俺の軍から与える。フレイムを救出してくれ。」
「はっ。」
ドリズルはフュリアスを呼び、グロウが貸してくれた一万の兵と共にレイニー平野へ向かった。
この頃フレイムとマッチはブライト軍と戦っている。
ドリズルはロンリー高野を見付けた。
「フュリアス!」
「おう、大将!なんだ?」
「フュリアスは五千の兵でここから東を制圧しろ。確か高野があるから、そこを取って退路を確保するのだ。」
「わかった。大将は?」
「私はレイニー平野にフレイム軍がいれば援護する。壊滅状態になることはないだろう。」
「それじゃ、フレイムは頼んだぞ。」
「任せろ。」
フュリアスはロンリー高野へ進入していく。
「さあ、足を速めるぞ!フレイム将軍を死なすな!」
ドリズル部隊は走っていく。
ドリズル部隊がレイニー平野に着いた頃には、既にフレイム軍は撤退していた。
「将軍!本陣が焼失しております!」
斥候が走ってくるなり膝を付いて言った。
「何?本陣へ案内しろ。」
「はっ。こちらです。」
斥候に案内され、ドリズルはジョーンズが苦労して焼いたフレイム軍本陣があった。
すっかり焼失していて、雨によって崩れていたりしている。
「フレイム将軍は退いたな。恐らく退路は高野を通り、アバンダンス平原に来るものだろう。退路を通り、フレイム軍と合流するぞ!」
ドリズル部隊はロンリー高野へ向かった。
この頃フレイム軍はロンリー高野にも入っていない。
ドリズル軍はフレイム軍を救えるのか・・・?