魔学都奪還戦(中編)

総攻撃

「ザッザッザッ・・・」
攻城兵器は動き始め、兵は歩き出した。
城門が開かれた。
城壁が見えると、城門が開いていることも知った。
ロイアルは
「なんだ、攻城兵器なんていらねえな。行くぞ!」
と、槍を掲げて走り出した。
ゼロスは突撃する敵部隊を見て
「城門を閉じろ!奴らを遊んでやる。」
門は重い音を立てて閉まった。
「なんで閉まんだ?兵器を持って来い!」
ロイアルが言うと、多くの兵が戻っていった。
攻城兵器を持ってくると、ゼロスは城門を開けた。
「ふざけやがって!一気にいくぞ!」
攻城兵器と兵士で、総攻撃を仕掛けた。
天梯車が城壁に架けられる。
兵はそこから城壁に登って行った。
城壁のゼロスは、敵兵を斬り伏せながら、敵兵の様子を見ていた。
「まだ下に兵がいるな。まあいい。城門を開け!全力で攻めろ!」
ゼロスの命令に素直に従い、城門が開かれた。
城内から兵が飛び出していった。
「ゼロス!」
天梯車を登り切ったロイアルは言った。
「ロイアルか。」
ゼロスはロイアルを向いた。
ロイアルはいきなり斬りかかってきた。
ゼロスの鎧を斬ることは出来ず、ただ手が痺れただけだった。
「私の鎧はお前では破れん。」
ゼロスはロイアルの槍を手で避けた。
「言ってくれるじゃねえか・・・。槍は効かなくても、これならどうだ!」
ロイアルは言い終わる前にゼロスに飛びかかった。
突然のことで、ゼロスは槍で刺せず、倒された。
「鎧がなきゃ槍で刺せるだろ!」
ゼロスの鎧をはぎ取ろうとしている。
「そう簡単に取られるか!」
ゼロスはロイアルに一発くれてやった。
「痛ってー・・・。」
ロイアルはゼロスから離れた。
ゼロスも、立ち上がってロイアルから離れた。
「ロイアル、また後で戦おう。」
「今でもいいだろ?」
敵に、だだをこねる子供のように頼みこんでいる。
「互いに軍を率いる者。ここで死んでも仕方ないだろう。」
「わかったよ。じゃ、さっさと逃げてくれ。」
「また後でな。」
ゼロス部隊は退き、ロイアル部隊が追撃した。
天梯車は置いてけぼりだ。
ボロボロになったその姿は、なんとも寂しいものだった。

市街戦

「ガタガタガタ・・・」
北門には攻城塔がくっついていた。
ウラヌス部隊はそこから城壁に登っていった。
「大したことなかったな。さ、行くぞ!」
ウラヌスは城壁から下りていったが・・・。
一本の矢が、風を切り、空を走った。
ウラヌスの肩当てにぶつかった。
「敵か!どこだ!?」
辺りを見渡すと、建物の上にジミーがいた。
弓を持っていることから、ウラヌスを射たのだと思われる。
「撃て!」
ジミーが命令すると、辺りの建物やら塀やらから矢が飛んできた。
「くそ、行け!当たらないようにして近づけ!」
弓なら、近づいたら素早く攻撃できない。
「まだだ!撃ち続けろ!」
ジミーも矢を射ている。
ウラヌスはジミーを目指した。
塀が邪魔なので、蹴って壊した。
建物の中に入り、階段を登る。
どこから入るのかわからなかったので、体当たりなりをして破壊した。
「お前、よくも俺を狙ってくれたな!」
ジミーが将であることは知らないようである。
「狙われたくないなら、戦場に来ない方がいい。」
ジミーは弓を落とし、剣を抜いた。
ウラヌスは槍でジミーの剣を叩き落そうとした。
だが、ジミーはそれを軽くかわし、ウラヌスの懐に入った。
ジミーが斬ろうとするのを、なんとかウラヌスは槍で防いだ。
防いだついでに、蹴ってやった。
ジミーがドサッと倒れた。
ウラヌスはジミーの首を槍で突き刺そうとした。
「ちっ・・・。」
ジミーはウラヌスの槍を握っていた。
「これで終わりか?」
「・・・そうだな・・・。お前ら退け。」
「追撃は後にしてくれ。」
ウラヌスは槍を落とした。
ジミーは建物に入り、階段を下りて出て行った。
「退くぞ!」
ジミー部隊は城の奥へと退いていった。
少しして、ウラヌスが
「追撃するぞ!」
と言った。
この少しの間が、兵士達には不思議で仕方なかった。