セイクレッド・イモータル決戦

開戦

「ヒュウウウ・・・」
今日もセイクレッド雪原には雪が降っていた。
風が強く、吹雪に近い。
イモータル軍はここまで攻めていた。
セイクレッド軍もイモータル軍も、共に兵数は百万近い。
どちらもここで雌雄を決するつもりなのだ。
両軍共、第一陣、第二陣を置いていた。
イモータル軍はアーミィの策を恐れ、なかなか動きを見せなかった。
「・・・よし、では行こうか。」
ウラヌスは言った。
セイクレッド軍第一陣の隊長に見事選ばれたのだ。
第一陣はアーミィの言う通りに、正面突撃していった。
きっとイモータル軍は
「第一陣は騎士団だ。」
と考えているだろう。
対騎士団用の陣でいるはずだ。
そこへウラヌスが突撃する。
敵の攻撃がウラヌスに集中したら、後続部隊が突撃する。
敵の陣形が崩れるだろうから、そしたらさっさと白山へ退く。
アーミィの、イモータル軍をあしらうような策だ。
第一陣は敵陣へ突っ込んでいった。
やはり対騎士団陣を敷いていた。
東にジョゼフ、西にジミー、南にはフュリアス部隊が待ち構えていたのだ。
早速、ウラヌス率いる第一陣を包囲する。
「え・・・あれ?テラーじゃないのか?」
フュリアスは、敵の旗を見て言った。
旗を見なくても、兵を見れば大体わかる。
騎士団なら豪華な装備で、白く、巨大なたくましい馬に乗っている。
だがウラヌスの第一陣の兵が乗っている馬は、栗毛がほとんど。
ジョゼフやジミーにも、この敵が騎士団でないことはわかった。
フュリアスはテラーと戦うのを楽しみにしていたのだが・・・。
「いいか。ここの奴も強いだろう。」
第一陣の隊長に選ばれたのだ。相当なものだろう。
フュリアスは第一陣の隊長を探したが、その前に面倒なことになった。
テラー率いる騎士団が来たのである。
後続部隊とは騎士団のことだったのだ。
騎士団の猛攻を受け、フュリアスらは総崩れとなった。
「さーて、もう退くぞ!奴らは後で倒せ!」
テラーの命令で、騎士団と第一陣は退いていった。
その様子を見て、フュリアスは
「逃がすな!しつこく追いかけてやれ!」
と、槍を振り回して言った。
ジョゼフとジミーも追撃を開始した。
フュリアスの命令に素直に従い、兵はしつこく追撃していた・・・。

白山包囲

「ザッザッザッ・・・」
雪を踏む音がした。
「どうした?」
フレイムは言った。
「はっ。フュリアス将軍らが追撃を始めました。」
「・・・そうか。私が止めに行こう。」
「将軍、それでは・・・。」
フレイムは腹部を押さえながら立ち上がった。
「実際に戦わなければ、大丈夫らしい。さあ進軍だ。」
「・・・わかりました。あまり無理をなさらぬよう・・・。」
「・・・ああ。」
フレイム部隊はフュリアスを追いかけていった。
フュリアスらは白山まで追撃していた。
「よくここまで来れるものだな。」
白山の守備を任された、セイドが言った。
白山の隣のセイクレッド城は、ロイアルが守っている。
セイドは敵の進軍を止めるため、白山を下りていた。
騎士団と第一陣は白山の北へ行かせた。
取りあえず、今はここで敵を止めるべきだ。
しかし、敵の勢いはすさまじかった。
止めるのがやっとだ。
「もう戦っているのか。」
フレイムは、前方で戦が起きているのを見て、言った。
急ぎ過ぎると体に悪いので、少しだけ急いだ。
フュリアスとジョゼフは奥にいるだろう。
となると、ジミーの所が安全か。
「ジミー。」
フレイムはジミーを見付けた。
「フレイム将軍?なんでこんな所に?」
「お前こそ、ここまで追撃してどうする?」
確かに。ここはセイクレッドの第二陣だ。
「フュリアス将軍の命令です。」
「命令といってもな・・・。一旦退くぞ。」
と、フレイムは言ってしまった。
戦況は、前言撤回したくなるようになったのだ。
セイドは白山へ退いたのである。
「・・・フレイム将軍。これなら?」
「・・・わかった・・・。白山包囲は私に任せてくれ。」
「では、俺はセイクレッド城を攻めます。」
フュリアスはテラーを追いに白山から北へ向かった。
が、さすがに無謀と考えたのか、やめた。
ジョゼフは各部隊の援護に周れる様、白山から南へ行った。
セイクレッド城はジミー隊だけで攻めるのである。
・・・白山とセイクレッド城は互いに関わっている。
どちらかが落ちれば、もう一方も落ちるというのだ。
近くにあるので、取った方を拠点に攻められるからだ。
ジミーはそんな大役をしているのである。
「来たな。さて、国王の命令に従うか。」
ロイアルは、城壁からジミー隊を見て言った。
国王の命令に従うべく、ロイアル部隊は退き始めた。
敵を一人も倒さず、城門も開けたまま退いたのだ。
別に伏兵がいるわけでもない。
「なんで敵がいないんだ?」
ジミーは首をかしげたが、セイクレッド城はありがたく頂戴することにした。
ロイアルは、北東の三つ子砦へ退いていった。
「後はセイドに頑張ってもらうだけだな。俺も活躍してえ・・・。」
ロイアルは嘆いた。